これが最後の恋だから。

ありふれた恋だった。 互いに家庭があること以外。 これがきっと人生最後の恋。

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分かりづらいかもしれないけど
あなたは大切な人です




これが彼からもらった言葉で
一番嬉しかったもの




そして
一番哀しく苦しい言葉




あなたが終わらせないことを
選んだ


彼はそう何度も責めた



それは違う




もうここまでと決めた私に
あなたのこの言葉だった




この言葉で


私はあなたから
離れられなかった






そうでしょう




こんな哀しく苦しい言葉言われたら
離れられない






だいたい
ひとつの季節に一度


互いに予定を合わせ
お出かけをする

朝から夕方まで
ゆっくりと



海だったり
紅葉狩りだったり
公園だったり



特に多いのが

共通の趣味である
アンティーク家具めぐり



だから私は
良さそうなショップを
見つけては
ストックしていく



ゆっくり
ゆったり



お店をまわる



互いに感想を言い合ったり
お店のかたとの会話を楽しんだり


けれども
2人ばらばらむしろ互いを忘れ
ショッピングに夢中になる
それがほとんど



だからこそ居心地が良い




あるときの帰り道



彼はふぅという溜め息とともに
疲れた と言った


それはずいぶん失礼だね
と私が言うと


彼はゆっくりと

一日中、
いっぱい喋って
いっぱい好きなもの見て
いっぱい美味しいもの食べて

もうお腹いっぱいで
疲れたよ


と言った





その疲れたよという表現は
やっぱり間違っているけど


ならば私も




疲れたよ


この4年間



私は いい女 になりたいと

願い続けた
願い続けている


この歳になれば
そういう女性は外見だけを取り繕えば
かえって遠のくことを知っている


だから
方法など分からないけど



とにかく一日一日を
成長する場としたいと思っている




あなたに認められたくって
あなたに褒められたくって
あなたにとって
女であり続けたくって




そう重ねた日々は



けして許されず
倫にあらずな日々だけど




あなたに感謝している




あなたから貰ったもの



アクセサリー


ブレスレット


日用品


指輪



いつも身につけていられるもの
そうお願いしてきたから



私のまわりには
あなたの痕跡がたくさん




それ以上に
私を離さないのは
私の中に残る痕跡



そっと私の背に添えられた手


目が合った時に眼の奥にある笑み



あなたの横顔





けれども恐ろしいのは
それらを哀しく思わなくなる
自分の中の変化



私たちは互いに
どこかで気付いている




私たちはきっと


ずっといつまでも


このままだ




まじりはしない
けれども
横をともに歩む



それは喜び?
哀しみ?



喜びであり
喜びを上回る哀しみだ




ほんと、愚か







こちらを離れていたのは
一年ほどか



特になにかあったわけではなく
仕事に追われる日々




彼との間も

その都度その都度は

大きな悲しみだったり
大きな喜びだったり
大きな驚きだったり
大きな大きなことだったりしたが



振り返ると
変わらぬ日々だった




嬉しかったことは
何度か日帰りではない旅に
彼とともに行けたこと



もちろん仕事上であり
偶然が重なりそうなった



けれどもとても楽しい旅だった




あとは


毎日のメール


2人の少しの時間


ときおりのお出かけ



平凡な日々





そして大きな苦しみ


それは私に深く残り
だから彼は私にどこかなにかあり





平凡な日々で
私たちは
それなりに分かち合い




まるで友人のような
戦友のような
稀有な相手になり



だからこそ
明るみにできなくなる




何年も関係していました

毎日連絡をとってました
その連絡は愛を語り合う甘さはなく
まるで同性の親友とのようでした


ときおり買い物に行ったり
ときおりただドライブしたり

ときおり旅行に行ったり


体の関係は
互いに重要ではありませんでした


ただ互いが
本音を言える相手でした




こんなの明るみになったら
どうするのか



こんな関係が
一番の下衆ではないのか






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